STR-001E-FAM2026.05VOL.01

FIELD RECORD / INTERVIEW

LIFE

なにをどうすりゃ人生完成ー

ruzaから須藤竜へ。ラッパーが選んだ、もうひとつの道。
その答えを、彼はストリートではなく、沖縄の空の下に見つけた。本人に話を聞いた。

一つの曲が、街を駆け抜けた。

「LIFE」——e-famのリーダー、ruzaがそのリリックに刻んだ問いは、シンプルだった。
なにをどうすりゃ人生完成ー。

答えを求めているのは、自分だけじゃないとわかっていたから、あの言葉はストリートに刺さった。

ruza / street

だが彼は、ヒットの余韻に浸らなかった。

マイクを置き、沖縄へ渡った。都市の喧騒から離れ、青い空と海の前に立ったとき、あのリリックの問いはまだそこにあった。今度は、自分自身へのアンサーとして。

ruza / studio
TRANSMISSION 02

やがて彼は、一般社団法人LifeVBestを立ち上げる。名前も、ruzaから本名・須藤竜へと戻した。ラッパーとしての看板を下ろしたのではない。ステージが変わったのだ。

コンセプトはふたつの言葉の掛け算だ。人生最高(LifeBest)と、誰かにとっての救命胴衣。自分の人生をベストな状態で生きることと、溺れかけている誰かの命綱になること(LifeVest)——その両立が、彼の出した答えだった。

TRANSMISSION 03

だが、ここで知っておかなければならないことがある。

須藤竜がこの問いを抱えていたのは、ステージの上だけではなかった。マイクを握りながら、彼はずっと、別の現場にも立ち続けていた。

PARALLEL OPERATION / 18 YEARS

児童養護施設。親に守られなかった子どもたちが暮らす場所で、18年間。

「なぜ虐待はなくならないのか」——その問いへの答えを、彼は現場で探し続けた。そして気づいた。子どもを守るのは施設の力だけではない。地域社会全体のつながりと、大人一人ひとりの「知ること」だと。

パーラーOKI
TRANSMISSION 04

2021年3月、家族とともに沖縄・うるま市へ移住。同年10月、地域の居場所「パーラーOKI」を開き、2024年には地域コミュニティスペース「OKI HOUSE」へと発展させた。講演、研修、子どもの体験イベント、支援者へのケアプログラム——活動は静かに、しかし確実に広がっている。

SIGNAL DECODE

そして、あのリリックのもうひとつの意味が、今になって浮かび上がる。

気にしたことないぜ、血の繋がり、
理解されず変わり者扱い。

E-FAM

当時、その言葉をどんな気持ちで書いたのかは本人にしかわからない。だが今の須藤竜を知る人間には、あのリリックが単なるフックではなかったことがわかる。

彼は今、2歳の女の子の里親だ。

血は繋がっていない。それでも、守る。理解されなくてもいい——そう決めた人間だけが選べる生き方がある。変わり者で結構。あのビートに乗せた言葉は、未来の自分への宣言だったのかもしれない。

CONCLUSION

曲のタイトルは「LIFE」だった。法人の名前も「LifeVBest」。そして今、リリックを書いていた男は、本名で、沖縄で、誰かの人生に手を差し伸べている。
lifevbest.jp →

言葉でなく、暮らしそのものが、答えになっている。

FINAL TRANSMISSION / VOL.01

——あの頃、「LIFE」を書いていたとき、今の自分を想像していましたか?

須藤竜は少し間を置いて、笑った。

NEXT TRANSMISSION

VOL.02 —— COMING SOON

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